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難病の合併症のアルゼンチン人患者、信大で治療し退院 10月14日(水)

退院を前に病室で談笑するダニエル・シルベストリさん(左から2人目)、宮原医師(右)ら

 アルゼンチン人男性のダニエル・シルベストリさん(46)が、厚労省指定難病の家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)の合併症で視力が落ちる病気の手術を松本市の信大病院で受け、13日に退院した。1992年に、母国ではできなかったFAPの診断を同病院で受けており、「かつて生命を助けられ、今回は人生のクオリティー(質)を良くしてもらった。言葉では表せないほど深く感謝している」と話している。

 FAPは、異常なタンパク質が神経や臓器にたまる病気。肝臓移植以外に有効な治療法がない。シルベストリさんは92年に信大でFAPだと判明。95年、アルゼンチンで脳死肝移植を受けて元気になった。自宅でコンピューター入力や原稿の清書などの仕事をしているが、1年ほど前から左目が見えにくくなった。

 母国では視力がなぜ悪化したか診断が付かず、妻アリシアさんがインターネットで視力悪化とFAPの関連を調べ、かつて受診した信大医学部の池田修一教授(脳神経内科、リウマチ・膠原(こうげん)病内科)にファクスで相談。9月14日に来日し、信大病院でFAPの合併症による「硝子体混濁」と診断された。

 同29日の手術は眼科助教の宮原照良医師が担当。カッターの付いたごく細い針状の器具を眼球に刺し、異常なタンパク質がたまった硝子体を吸い取った。「手術自体は珍しくないが今後、緑内障を患う可能性もあるため、その際の手術の邪魔にならないよう、刺す穴の大きさを最小限にすることに気を付けた」と宮原医師。シルベストリさんは「手術中、徐々に物が見えてきて最初に気付いたのは目の中のカッターだった。でも怖さより喜びが勝った」と話す。

 0・02だった視力は術後、1・5に改善した。シルベストリさんは「FAPで目が悪くなっても治療できることを母国の医師や同じ病気の人に伝え、元気づけることができたらうれしい」と語った。

【FAPとは】 家族性アミロイドポリニューロパチー 遺伝子の変異で、主に肝臓が作る異常なタンパク質(アミロイド)が神経や内臓にたまり、自律神経障害や不整脈などの臓器障害を引き起こす。治療しないと発症から10年前後で死亡する。目の一部でもアミロイドを作り出すことがあり、この場合、肝移植をしても目に硝子体混濁や緑内障が生じる。アミロイドがたまる病気を総称して「アミロイドーシス」といい、厚労省によると国内の患者は1000〜1500人。

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10月14日(水)の県内ニュース

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